憧れの児童会には立候補しました
小学生では特に先輩とか後輩とかもなく、1つ2つ上の学年といえば、それだけでお兄さん、お姉さんの世界という位置付けだった。
悪ガキみたいな、理由もなく下級生をいじめに来るような奴もいたけど、大概は優しく接してくれたし、可愛がってもらえた。
そんなお兄ちゃんお姉ちゃんの世界に混じりたい!もっと新しい世界を見たい!
という思いを抱いて児童会の書記に立候補したような気がする。
子供ながらに選挙とかやって。
投票してもらって選出される、みたいなことやった。
それで当選して、晴れて児童会書記になった。
先生に勧められたからとかでなく立候補した。
書記を選んだのは、書くこととか、まとめることとか、好きだったからなんだろうなと思う。
クラスの発表会なんかでも、B紙にマジックで描きまとめるのはいつも自分だった。
5年生の時は書記 6年生の時は副会長
これだけ見ると、とっても立派な小学生のようだが実は中身は全く違う。
告白すると「目立ちたいだけ」だった!
もう一つ言えば「選ばれる自分」でありたかった。
なんとも軽薄な子供だけど、本心だからしょうがない。
今だから、言えるけど。
それでも放課後には、みんなが帰宅した後も遅くまで残って、印刷室で配布資料の作成とか、わら半紙の折り込みとか、出版社職員みたいな仕事をよくやってた。
やっぱり雷が落ちた日
ただ動機が不純なだけに、時々サボったりした。
そんなことしてたので、他の児童会生徒にチンコロされた。
ある日の放課後、誰もいない教室に担当の先生から呼び出され説教された。
そして思いっきりほっぺたをつねられた。顔が腫れるくらい強烈に!
「児童会役員らしく責任を果たせ!」と。
この先生からはもう一件、別件でも怒られたことがある。
他クラスの先生の名前を、呼び捨てにして大声で呼んだのを目撃されたからだ。
この時も、頭の上から水をかけられるくらいの勢いで怒鳴りつけられた。
「先生を呼び捨てにするとは何事だ!親しき仲にも礼儀あり!」と。
俺は小学生官僚?
思い返すと、自分はずっと、小学生ながらに官僚みたいな児童だったところがある。
良い児童の顔して、実は横着でずるいことも分かっててやる、みたいな。
別に勉強ができたわけでもないし、親が町の有力者だったり、学校教育に熱心だったりとか、そういったことは一切なかったけど、どの先生からも可愛がられた。
先生から何か依頼があると、喜んで応える児童だったから。
逆にお手伝いを申し出るくらい、先生好きな児童だった。
その理由は、自分でも定かじゃない。
父親から褒めてもらったことがなかったので、大人からの愛情を学校の先生達に求めていたのかもしれない、と思うこともあるけど、分からない……。
家ではよく、父親からげんこつやビンタをもらって泣いてたけど、
実は、学校では怒られたことがなかった。
(あったかもしれないけど、覚えてない。)
だけど、この先生のことは特別記憶に残っているし、
怒られたことはずっと胸に残っている。
ほんと、よくあれだけ本気で怒ってくれたなと思う。涙が出る。
「責任ある立場に立ったら、ちゃんと役割を果たすこと」
「親しき仲にも礼儀あり」
これだけは、いつも、ことあるごとに思い出す。
先生、ありがとう。