中学に入ってからの自分は、身長が伸びるのが遅かった。
それに比べて、どんどんたくましくなってゆく友達。
体の成長と同時に、パワーもスピードも著しく成長してゆく。
野球部でも、小学校ではずっとレギュラーが当たり前だったのが、
じりじりと足元を脅かされる状況が出て来た。
脚の早いやつ、
肩の強いやつ、
運動センスが抜群にいいやつ、
機転のきくやつ……
自分の体の成長が実感できないぶん、
相対的に追い詰められてゆくように感じていた。
多分、言い訳のできない「劣等感」を
初めて感じたのは、この頃。
「小学校の頃は……」
時々、そんな言葉をつぶやくほど、
メンタリティーで完全に出遅れていた。
また、それだけ小学校での生活に馴染んでいた。
そして、こんな感覚もあった。
小学生でストックしてきたメダルが剥奪された!
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小学校で持っていたものが一旦シャッフルされて、
フラットになっただけ。
また1から積み上げればいい。条件はみんな同じ。
同じスタートラインに立ったのだ。
今なら、そう考えればいいのにと思う。
でも当時の自分は、そんな発想が持てなかった。